芭蕉db

その匂ひ桃より白し水仙花

(笈日記)

(そのにおい ももよりしろし すいせんか)

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 元禄4年10月下旬、「奥の細道」の旅の後、最後の東下の旅の途次、三河新城の門人白雪(庄屋で太田金左衛門)亭に滞在して。この日、白雪の子息長男重英(14歳)と、次男孝知(11歳)に芭蕉から「桃先」、「桃後」の俳号が与えられた。

その匂ひ桃より白し水仙花

 ここに「桃」は桃青の桃で、水仙は桃先、桃後をさす。二人の少年の初々しさをたたえて命名の記念とした。二人の少年が喜んだかどうかは知らないが、親の白雪夫妻の得意は想像するにあまりある。