芭蕉db
  伊勢の斗従に山家を訪はれて

蕎麦はまだ花でもてなす山路かな

(続猿蓑)

(そばはまだ はなでもてなす やまじかな)

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 元禄7年9月3日、51歳。この日、伊勢から門人支考が伊賀上野にやってきた。目的は芭蕉を伊勢に連れて行くことだったが、実際には芭蕉は大坂に行き、心ならずも伊勢には行けなかった。この日、支考は自分の門人?である斗従<とじゅう>なる人物を同道していたのである。 支考は、このまま芭蕉と行を共にして8日に奈良、9日には大坂と移動し、結局芭蕉が大坂で死ぬまで師の傍を離れることはなかったのである。


満開の蕎麦の花


蕎麦はまだ花でもてなす山路かな

 遠来の客を迎えて新蕎麦でもてなしたいところなのですが、見ての通り伊賀は未だ蕎麦の花の季節。食べる蕎麦は駄目ですので、ぜひこの美しく白いそばの花を味わってください。明るく弾んだ芭蕉秀句の一句


三重県阿山郡伊賀町柘植にあった句碑(牛久市森田武さん提供)