芭蕉db
   土屋四友子を送りて鎌倉までまか
   るとて

霜を踏んでちんば引くまで送りけり

(茶の草子)

(しもをふんで ちんばひくまで おくりけり)

句集へ 年表へ Who'sWhoへ


 延宝7年、芭蕉36歳の作。この年、9句が記録されている。
 前詞にあるように土屋四友を鎌倉まで送っていった折の作。四友は、松平出羽守の家臣土屋外記。宗因門下の俳人。四友との三吟百韻の発句に「
見渡せば詠むれば見れば須磨の秋」がある。

霜を踏んでちんば引くまで送りけり

 もう少し、もう少しと言いながらついに友人を送って鎌倉まで来てしまった。そしたら疲労の為に足がヘタってしまった。謡曲『鉢の木』が下地をなしていて、ここで「ちんば」をひいて鎌倉に着いたのは他ならぬ佐野源介、四友は北条時宗であったのかもしれない。