芭蕉db

白髪抜く枕の下やきりぎりす

(泊船集)

(しらがぬく まくらのしたや きりぎりす)

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 元禄3年8月、47歳。之道の参加した半歌仙の発句。作句場所は明らかではないが 『奥の細道』以後滞在した上方で、おそらく膳所の義仲寺と思われる。

白髪抜く枕の下やきりぎりす

 秋が深まってきた。芭蕉の頭にも人生の秋を象徴するように白髪がめっきり増えてきた。その白髪の抜け毛のついた枕の下にコオロギが鳴いている。しみじみと人生の初秋の句。「きりぎりす」はコオロギのこと。