芭蕉db
   子に後れたる人のもとにて

萎れ伏すや世はさかさまの雪の竹

伊賀上野 宗房

(続山井)

(しおれふすや よはさかさまの ゆきのたけ)

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 寛文7年、24歳の若い作。作句動機は不明。誰かの子供の葬儀にでも参列したか?

萎れ伏すや世はさかさまの雪の竹

 若い人の葬儀に出てみると、その親が身も世もなく嘆き悲しんでいる。そのしおれ果てた姿は、雪折れの竹のようだ。折れ曲がった竹の節が逆さまについている様を、子に先立たれた逆順になぞらえたのである。