芭蕉db
   途中吟

山城へ井出の駕籠借る時雨哉

(花摘)

(やましろへ いでのかごかる しぐれかな)

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 元禄2年12月。井出(京都綴喜郡井手町)。ここは「蛙」の名所と言われている。京都から奈良へ向かう街道筋。

山城へ井出の駕籠借る時雨哉

 山城へと旅を続けていたときに予期せざる時雨がきた。ここは歌枕として有名なところだからゆっくり行きたい所だが時ならぬ時雨に急かされて、駕籠を呼んで立ち去らねばならない、というのである。
 この時期の作品としてはあまり良い出来とはいえない。