芭蕉db
   旧里の道すがら

しぐるるや田の新株の黒むほど

(記念題)

(しぐるるや たのあらかぶの くろむほど)

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 元禄3年、47歳。伊賀上野で。

しぐるるや田の新株の黒むほど

 今年の秋刈り取った稲田の切り株 はすっかり枯れて灰色になっていたのだが、そこに時雨が通り過ぎていった。それはちょうど切り株を濡らして黒く変色させるほどもの。こういう時雨が、通り過ぎて行くたびに伊賀の冬は深まっていく。


三重県上野市西高倉番屋の辻の句碑(牛久市森田武さん提供)