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花は賤の目にも見えけり鬼薊

(夜の錦)

(はなはしずの めにもみえけり おにあざみ)

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 寛文6年、23歳の作

花は賤の目にも見えけり鬼薊

 「賤<しず>」は身分の低い・卑しい者、の意。古来「賤の目には鬼は見えない」という諺がある。しかし、「賤」たる自分でも鬼アザミの紫の花はよく見える、というのである。諺を嘲笑ったうけねらいの作品。