芭蕉db

荻の声こや秋風の口うつし

(続山井)

(おぎのこえ こやあきかぜの くちうつし)

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 寛文7年、24歳の若い作。「こや」の使い方がこの年頃の得意だったようだ。たとえば「糸桜こや帰るさの足もつれ

荻の声こや秋風の口うつし

 秋風が吹いてオギの穂が鳴っている。あれは秋風からの口うつしだろう。荻はススキによく似た多年草。高さ1.5メートルに達する。しばしば水気多い川原などに群生する。貞門風の未熟な作品。