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芭蕉db
男鹿島
(五十四郡)
(ひれふりて めじかもよるや おがのしま)
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天和元年(38歳)頃から天和4年(40歳)頃までの間。「山は猫ねぶりて行くや雪の隙」の句と同じ頃の作品か?
なお、この時期の制作年次不明のものとして、15句がある。
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ひれ振りてめじかも寄るや男鹿島
「男鹿島」は秋田にある小島。『奥の細道』以前の句だろうから、芭蕉はそこに行ったことはないはずである。「めじか」は女鹿。男鹿島では男鹿ばかりがいる島だろうから女鹿が「ひれ」を振って寄っていくことだろう。ここに「ひれ」は婦人が首に巻くスカーフ様のもの。
他方、男鹿島付近はメジカツオの漁場としても知られていたそうである。男鹿島では、その名にひかれてメジカツオがヒレを振って集まるのであろう、という意味も掛けている。談林の掛詞だけの無意味な句。
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