芭蕉db

世に盛る花にも念仏申しけり

（蕉翁句集）

（よにさかる はなにもねぶつ もうしけり）

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　貞亨元年（41歳頃）頃から死の元禄7年（51歳）までの間。ただし、『蕉翁句集』では貞亨元年とする。　

世に盛る花にも念仏申しけり
　いまでは滅多に見ないが、何に向かっても念仏やお題目を唱える人が昔はいたものだ。一句は、今を盛りと咲いている桜の花に向かって念仏を唱えている人がいる。多分お年寄りなのだろうが、作者も心のどこかでこの人の気分に共感しているのである。ただ、世を去るものではなくて、今を盛りの花だからやっぱりおかしいのでもある。


相模原市当麻無量光寺にある句碑（牛久市森田武さん提供）