芭蕉db

猫の恋やむとき閨の朧月

(葛の松原)

(ねこのこい やむときねやの おぼろづき)

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 元禄5年春、49歳。

猫の恋やむとき閨の朧月

 先ほどまで猫の恋する騒々しい声が聞こえていたが、いまは静寂が戻ってきた。みれば春の短夜の朧月が部屋に差し込んでいる。猫に刺激されたのでもあるまいが、何となく私も人恋しくなる春の夜です。