芭蕉db
  

葱白く洗ひたてたる寒さ哉

(韻塞)

(ねぶかしろく あらいたてたる さむさかな)

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 元禄4年10月、芭蕉48歳。元禄2年秋以来の上方在住から江戸へ戻る帰路、美濃の国垂井の本龍寺での作。このときの本龍寺の住職は規外(または矩外)で芭蕉の門人。「葱白く洗ひあげたる寒さかな」は誤伝。この折、本龍寺の庭を見ての挨拶吟に、「作りなす庭をいさむる時雨かな」がある。

葱白く洗ひたてたる寒さ哉

 古来極めて評価の高い芭蕉秀句の一つ。寒さを表現するにネギの白さという色彩を用いた独創がその評価を支えているのであろう。
 ところで、『和漢三才図会』という本には、美濃のネギは白いところが長く一尺以上あるとある。関東のネギは白い部分が長い根深葱<ネブカネギ>、関西のネギはアサツキのように葉の方が長い葉葱<ハネギ>とされる。 これから類推すると美濃のネギが東に向かって普及していって、現在の関東のネギになったことになるが、どうか?


垂井市垂井の泉の句碑と・・・


垂井の泉。牛久市森田武さん提供