芭蕉db
   鳴海、出羽守氏雲宅にて

面白し雪にやならん冬の雨

(俳諧千鳥掛)

(おもしろし ゆきにやならん ふゆのあめ)

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 貞亨4年11月20日。『笈の小文』の旅の途次、鳴海の刀鍛治岡島佐助(氏雲=俳号自笑)宅にて歌仙を巻きその折の発句。脇は自笑がつけ、「氷をたたく田井の大鷺」。

面白し雪にやならん冬の雨

 自笑宅に招かれての挨拶吟。冬の雨が降っているが、しんしんと冷えてきた。この分では雪になるだろう。雪を期待するはずんだ気持ちをもって主人への挨拶としたのである。