芭蕉db

波の花と雪もや水の返り花

(如意宝珠)

(なみのはなと ゆきもやみずの かえりばな)

句集へ 年表へ Who'sWhoへ


 寛文9年、26歳の若い作。伊賀上野時代の作。

波の花と雪もや水の返り花

 「波の花」は、冬、特に日本海などで強風に飛散する泡。潮の花ともいう。「返り花」は、春咲いた花樹が夏や秋になって再度咲く現象。狂い咲きでもある。
 波の花や雪は、水の返り花ではないか、丁度春の花が夏になって再び咲くように。伊賀には海が無いので嘱目ではない。理屈っぽくて面白くない句。