芭蕉db
生きながら一つに氷る海鼠かな
(続別座座敷)
(いきながら ひとつにこおる なまこかな)
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元禄6年冬。
岱水
・
子珊
らとの歌仙の発句。脇は岱水で「
ほどけば匂ふ寒菊の薦
」
生きながら一つに氷る海鼠かな
あの得体の知れない海鼠の姿。それが沢山桶の中で固まっている。寒中のこととてうっすらと氷が張っている。醜い姿のままに死んでゆく海鼠への愛惜の情を詠み出したのかも知れない 。
なお、芭蕉のこの句に先立って、去来の句「
尾頭の心もとなき海鼠かな
」があった。