芭蕉db

葎さへ若葉はやさし破れ家

(旅の後)

(むぐらさえ わかばはやさし やぶれいえ)

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 元禄2年春。大垣の門人此筋に依頼されて画賛を贈った。

葎さへ若葉はやさし破れ家

 此筋の家が八重葎の生い茂った貧乏家だったというのではあるまい。彼が描いた絵が破れ家だったのであろう。こんな破屋に生い茂る葎でも若葉のときはやさしい 緑をたたえていることだ。葎はアカネ科の野草。貧しさや廃屋の表現に多用される。