芭蕉db
   武蔵守泰時
   仁愛を先とし、政ルヲ

名月の出ずるや五十一ヶ条

(庭竈集)

(めいげつの いずるや ごじゅういっかじょう)

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 貞亨5年、45歳。越人編纂の『庭竈集』の「賢臣」の題で掲載されている句。「叡慮にて賑わふ民の庭竈」も同じ動機の作。

名月の出ずるや五十一ヶ条

 詞書にあるように、北条泰時が貞永式目を発布したことを詠んだ。51か条はこの条文の数。
 名月の昇るように、明らかな式目を高らかに提示した優れた政治家だ、というのだろうが、果たして泰時がそうであったかどうかは疑わしい。確かに鎌倉幕府の執権政治を確立した人物ではあるが。それにしても、なぜ芭蕉が北条泰時なのかはよく分からない。