芭蕉db

きりぎりす忘れ音に啼く火燵哉

(蕉翁全伝)

(きりぎりす わすれねになく こたつかな)

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 元禄3年冬。伊賀に帰省の折、門弟氷固亭にて。この句を発句として半歌仙あり。

きりぎりす忘れ音に啼く火燵哉

 山里伊賀はもう冬の装いである。主の氷固は芭蕉の為に暖かい炬燵を用意してくれた。初冬だというのに炬燵の中でか細くコオロギが啼いている。