芭蕉db

山桜瓦葺くものまづ二つ

(笈日記)

(やまざくら かわらふくもの まずふたつ)

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 元禄3年。木下長嘯<ちょうしょう>の『挙白集』に「常に住む所は瓦葺けるもの二つ・・」とあるから取ったらしい。こういう取り方は古い時代のやり方なので、一句の制作年代はもっと早期かもしれない。
 『蕉翁句解』では吉野とあるが、不明。

山桜瓦葺くものまづ二つ

 山桜の咲く山道を歩いていくと、先ず最初に瓦葺の屋根の家がふたつ目に入ってきた。嘱目しているものをそのまま詠んだ。後に続く情景が聞きたくなる。
 この時代で、山里で瓦葺といえば寺院か神社しかない。