芭蕉db

庭掃きて雪を忘るる帚かな

(真蹟自画賛)

(にわはきて ゆきをわするる ほうきかな)

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 元禄5年冬。自画賛だが、画は寒山像。

庭掃きて雪を忘るる帚かな

 寒山は普賢菩薩の化身という。そのひょうひょうとした姿はすでに無碍の世界に住む人のそれである。画は、雪の朝寒山が箒を持って雪を掃いている姿である。その寒山は雪を掃きながらすでに雪の存在を忘れている。これこそ無碍の世界に在る人の姿である。