芭蕉db
   貧主自ヲ云

髪はえて容顔蒼し五月雨

(真蹟詠草)

(かみはえて ようがんあおし さつきあめ)

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 貞亨4年、44歳。

髪はえて容顔蒼し五月雨

 梅雨の季節。じめじめした草庵に閉じ込められている。鏡を出して顔をうつしてみると髪はのび、髭は伸び、顔色は青ざめてまことに貧しい形である。芭蕉の自画像嘱目吟。詞書の貧主は卑下した自身を言う。