芭蕉db

借りて寝ん案山子の袖や夜半の霜

(其木帖)

(かりてねん かかしのそでや よわのしも)

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 貞亨元年(41歳頃)頃から死の元禄7年(51歳)までの間の作句年不詳。画讃の句との説がある。

借りて寝ん案山子の袖や夜半の霜

 旅寝が主題。霜が降りて急に冷え込んできた夜半。旅寝のこととて暖を取るものもない。せめてあの案山子の袖なりとも貸してもらえたら眠られるかもしれないのだが。
 「きりぎりす鳴くや霜夜の狭筵に衣片敷き独りかも寝む」(『古今集』)を引く。