芭蕉db
  東順伝

入る月の跡は机の四隅哉

(句兄弟)

(いるつきの あとはつくえの よすみかな)

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 元禄6年、芭蕉50歳。其角の父東順への追悼句。

入る月の跡は机の四隅哉

 この机はもちろん今は亡き東順の使った机である。月が没してにわかに暗くなった室内には在りし日のままにひっそりと故人の形見の机が残されている。嘱目ではなく、心に映る情景で居あろうが、寂蒔とした追悼句である。