芭蕉db

皆拝め二見の七五三を年の暮

(幽蘭集・金蘭集)

(みなおがめ ふたみのしめを としのくれ)

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 元禄元年師走。曾良・路通・宗波・嵐竹・岱翠・友五・泥芹・夕菊と巻いた歌仙の発句。掛け軸に描かれた二見が浦の夫婦岩の絵を見て詠んだ句であって、嘱目の句ではない。二見が浦を詠んだ句には他に、「うたがふな潮の花も浦の春」がある。

皆拝め二見の七五三を年の暮

 新年を迎えるに当って真新しい注連縄の張られた二見が浦の夫婦岩に向かって皆で合掌しよう。この絵は新年用の掛け軸だったのであろう。