芭蕉db

己が火を木々に蛍や花の宿

(己が光)

(おのがひを きぎにほたるや はなのやど)

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 元禄3年夏。『己が光』冒頭句。近江の石山あたりで詠んだといわれている。この句を、茶店においてきたとも伝えられる。

己が火を木々に蛍や花の宿

 「蛍は、自分の発する光を花として木々に宿す」というのであろうが、倒置法的構成を採ったのが混乱のもとで、芭蕉この時期の句としてはまことにまとまらない作品である。