芭蕉db
   七夕に

合歓の木の葉越しも厭へ星の影

(真蹟懐紙)

(ねむのきの はごしもいとえ ほしのかげ)

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 元禄3年7月7日とされる。

合歓の木の葉越しも厭へ星の影

 この星は、天の川の牽牛と織女のこと。七夕の夜であるから、この星たちは一年ぶりの再会を果たしているのである。この時代、場所によっては七夕飾りをねむの木に飾る風習があったという。その合歓の木は夜になると葉を閉じる。
 一句は、星に語る「厭え」と、人に語る「厭え」で解釈が違ってくる。前者であれば、ねむの葉越しといえども見えてしまうからよく隠れて逢瀬を忍べというのに対し、後者であれば葉越しに見るにしてもじろじろ見るなの意となるのであろう。艶っぽい句ではあるが、意味が一つぴんと来ない。