芭蕉db
古き世をしのびて
霜の後撫子咲ける火桶哉
(俳諧勧進牒)
(しもののち なでしこさける ひおけかな)
句集へ
年表へ
Who'sWhoへ
元禄3年冬。
霜の後撫子咲ける火桶哉
めっきり寒くなって火鉢が出ている。この季節花を見ることはないが、出されている火鉢には古風なナデシコの花が描かれている。
藤原定家の歌「
霜さゆるあしたの原の冬枯れにひと花咲ける大和撫子
」『拾遺愚草』に主題があったと言われている句。門人青流は、芭蕉を追悼して「
なでしこの花もやつるる火桶哉
」と詠んだ。