芭蕉db

初霜や菊冷え初むる腰の綿

(荒小田)

(はつしもや きくひえそむる こしのわた)

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 元禄5年晩秋。『荒小田』には、「此の句、羽紅のもとより、腰綿をつくりて贈られし返事なり」とあるから、凡兆の妻羽紅が腰綿を贈ってくれたその返事に作句したものとされている。
 ところで、腰綿とは真綿を腰に巻いた防寒衣料。老人が着用する。また、菊の防寒用にも着せ綿をするので、菊と腰の両方に話題がかかっている。

初霜や菊冷え初むる腰の綿

 初霜が降りて急に寒くなってきた。菊に着せ綿をする季節だが、私の腰にも腰綿をしなくてはならない。それにしても、年を取ったものだ。老境の感慨が込められた句。