芭蕉db
元禄二年六月十日
七日羽黒に参篭して
めづらしや山を出羽の初茄子
(曾良書留)
(めずらしや やまをいではの はつなすび)
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元禄2年6月10日。『
奥の細道
』旅中、羽黒山で7日間参篭した後山を下りた。鶴岡藩士長山重行亭を訪れてご馳走に出てきた茄子を褒めることで挨拶吟とした。奥羽の茄子だから、江戸には無い長細いおいしい茄子だったのだろう。関西生まれの芭蕉には珍しかったかもしれないし、あまつさえ参篭の空腹後であってみれば食べ物は何でもおいしかったかもしれない。
めづらしや山を出羽の初茄子
羽黒山に7日間も参篭して下界に降りてきてみると、初なすびのもてなし。なんとも有り難いことです。
山=羽黒山を出てきたことと、出羽の地名とを掛詞とした。
鶴岡市山王町長山重行亭の句碑(牛久市森田武さん撮影)