芭蕉db
   晋の淵明をうらやむ

窓形に昼寝の台や簟

(続猿蓑)

(まどなりに ひるねのだいや たかむしろ)

窓形に昼寝の茣蓙や簟

(芭蕉宛去来書簡)

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 元禄6年夏。

窓形に昼寝の台や簟

 日本の夏はむし暑い。中国の陶淵明なら、さしずめ窓辺に「簟<たかむしろ>」をおいてそこで昼寝をしたことであろう。さぞやその清貧の生活は涼しさそのもであったことであろう。ここに「簟」は竹で編んだむしろのこと。
 淵明の理想化された生活を「昼寝」の話題に落とし込んだところが俳諧なのである。晩年の作だが訴求力の無い句である。