芭蕉db

年は人にとらせていつも若夷

(千宜理記)

(としはひとに とらせていつも わかえびす)

年や人にとられていつも若ゑびす

(夜の錦)

(としやひとに とられていつも わかえびす)

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 寛文6年作。23歳。
 若夷は、えびすさまの絵を描いた紙札で、上方では正月元旦の朝夷売りが町々を回って売り歩く。人々はこれを買って門口に張り出して、新しい年の福を呼びこもうと待ち構えている。

年は人にとらせていつも若夷

 毎年正月に売りに来る夷様の紙札の顔は一向に年を取らない。これは、あまり御札がよく売れて、正月には取るべき歳を取っている暇がないからじゃないだろうか。
 そんな馬鹿なことはなかろうが、滑稽を強調した作。若さがにじみ出ているが、後の芭蕉を知るものには何とも素人臭い作品。