芭蕉db
   憶老杜

髭風ヲ吹いて暮秋嘆ズルハ誰ガ子ゾ

(虚栗)

(ひげかぜを ふいてぼしゅうたんずるは たがこぞ)

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 天和2年、芭蕉39歳の作。この年10句が記録されている。

髭風ヲ吹いて暮秋嘆ズルハ誰ガ子ゾ

 前詞にあるように「老いた杜甫を憶う」のである。あの髯を秋風に吹かれるままにひらひらさせて秋の夕暮、人生の黄昏を詩に託しているあの方は、一体誰であろう。
 句の意図はともかく、作者自身は元気一杯である。