D07
白水の流も寒き落葉哉
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白水の流も寒き落葉哉 木導
其角曰、もハ今一ツ有の詞也。去來曰、角ハ此を又もト思はるゝにや*。是等ハ力もなるべし。寒きハ冬の惣體也*。
- 其角曰、もハ今一ツ有の詞也。去來曰、角ハ此を又もト思はるゝにや
:其角が、この「も」は今イチだね、と言った。私は、其角が「白水も又」寒いというように解釈したためだろう、と思う。
- 是等ハ力もなるべし。寒きハ冬の惣體也:<これらは「かも」なるべし。さむきはふゆのそうたいなり>。この言い方は、「白水の流れも又寒い」ではなくて「白水の流れかも=ああ白水の流れよ」という詠嘆の「も」であって、寒いのは白水だけじゃない、冬は何処もかしこも寒いのだから。