芭蕉db

笈の小文

(草庵の会)


草庵會

いも植て門は葎のわか葉哉

(いもうえて かどはむぐらの わかばかな)


前へ 次へ

表紙 年表


いも植ゑて門は葎のわか葉 哉

 この句を作った句会は大江寺で催された。周りには里芋畑が青々と茂っていて、寺の山門付近は葎がうっそうと繁っていたのであろう。
 ところで、この時代、里芋と俳句は、里芋に俳味(灰味)があるというので相性がよいとの俗説があった。
 なお、『真蹟懐紙』には、
   二乗軒といふ草庵の会

藪椿門は葎の若葉かな

とある。


伊勢市船江の瑞泉院にある「藪椿門は葎の若葉かな」の句碑(牛久市森田武さんのご好意による)