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nozara28.htm芭蕉DB野ざらし紀行
(杜国との別れ)
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杜国に
おくる
 
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(しらげしに はねもぐちょうの かたみかな)
 
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 表紙
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白げしにはねもぐ蝶の形見
哉
 芥子に止まっていた蝶が飛び立った。そのとき一輪の花びらがはらはらと落ちていった。あれは、蝶が別れに当って形見に羽目をもぎ落としたのだ。白芥子を杜国に、蝶を自身になぞらえている。
 杜国へ宛てた句は、これに限らず多感なものになっている。これも感情過多の作品となって余り好感を持てない。白芥子は杜国を、羽をもぐ蝶は芭蕉を暗示している。芥子と蝶という組み合わせも尋常ではない。
 杜國は、この年8月19日領国追放の身となる。