芭蕉db

不明宛書簡

(元禄7年春 芭蕉51歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


早春、佛頂和尚へ御状被遣候を則愚庵為持被*、微細熟覧仕候處*、木免の角あるけしき先感心仕候上*、病床に病と組で勝負を御あらそひ、終に大眼悟哲之勢ひ、驚入奉存候*。和尚之肝膈いまだしかと探られず候間、重而評判可申遣*。和尚にも旧臘は寒ぬるく候故、御持病も心能*、愚庵まで手をひかれて一夕御入、大道の咄し山々、俳諧に而半夜*

梅桜みしも悔しや雪の花

と御申候。感心致事に候。且又正秀三つ物、扨々驚入*、定而御力加り候物と感心仕候。褒美之旨正秀へ申遣候間、除筆候*

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 深川芭蕉庵から、宛先不明の書簡。この宛先人は闘病生活をした人であること、佛頂和尚と親交のあること、木免の句を作っていること、などが分かるが、特定できない。日付を欠くが、正秀の「三つ物」の話題があることから元禄7年で、話題からして芭蕉は深川にいることから5月以前と知られる。