芭蕉db

洒堂宛書簡

(元禄3年4月16日 芭蕉51歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


国分山の山守と成りかゝり候へば、市中の御案内なつかしく候*。御眼病もよく、京より御帰り、珍重に候。常食事等御慎しみ可成候。小提灯壱つ・蝋燭、御芳志、月無頃の畔伝ひて候*。不浅候*。芥子の御句*、知恵の二字、感動不少候。世上之小利には何方も草臥候*。予も頃日、
 

夏草に富貴を飾れ蛇の衣

夏草や我先達ちて蛇狩らん

二句の境、愚意落不申儘*、外へ御語御無用に候。御登山之砌極可申候*。庵も賜物、富貴に候。怒誰丈御誘、せつに候*。以上
     卯月十六日                      ばせを
 
洒堂丈

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 洒堂から提灯とロウソクの差し入れがあったことへの謝礼。幻住庵にはいずれも必需の品である。