上達之様に相見え、別而大悦に存候:<じょうたつのようにあいみえ、べっしてたいえつにぞんじそうろう>と読む。この上達は、二人が芭蕉に送った俳諧作品を指すらしい。
随分御相談被レ成候而、下膳被レ成御待可レ被レ成候:<ずいぶんごそうだんなされそうろうて、げぜんなされおまちなさるべくそうろう>と読む。ちゃんと相談して、膳所にお帰りになりお待ち下さいますように、の意。
高氏南花斎物半之由:<こうしなんかせいぶつなかばのよし>と読む。怒誰が講釈している『荘子』斉物論も半分は終わったそうですね、の意。同日付けの怒誰宛書簡参照。
世道・俳道、是又斎物にして、二つなき處にて御座候:<せどう・はいどう、これまたせいぶつにして、・・・>と読む。人の道も俳諧も一つの同じ道に違いありません。
此度返翰数多、不レ及二細筆一候:<このたびへんかんあまた、さいひつにおよばずそうろう>。返事が沢山ありますので、末筆のまま、の意。