膳所の門人水田正秀宛書簡。正秀から生活雑貨が贈られてきたことへの謝礼。
頃日六進じ候處:<けいじつろくしんじそうろうところ>と読む。「六」芭蕉の兄松尾半左衛門の下僕の「ろく」。先日、六を貴家に遣いさせましたところ、の意。
又々色々御取揃被レ懸二芳慮一忝奉レ存候:<またまたいろいろおとりそろえほうりょにかけられかたじけなくぞんじたてまつりそうろう>と読む。今度も沢山、頂きましてお心遣いに恐縮しております、の意。
同姓方へ茶被レ遣被レ下:<どうせいかたへちゃつかわされくだされ>と読む。同姓方とは松尾半左衛門家のこと。松尾家からか六がか、その事を伝えたものであろうか。
六にも銭被レ遣被レ下御心指難レ盡候:<ろくにもぜにつかわされくだされおこころざしつくしがたくそうろう>と読む。下僕六も正秀から小遣いを貰ったのであろう。
身の後金北斗をさそふとも:<みののちこがねほくとを・・・>と読む。死んで後にお金を積んで北斗七星を支えても(意味の無いことだ)。『徒然草』31段参照