芭蕉db

許六宛書簡

(元禄5年11月13日 芭蕉49歳)

 

書簡集年表Who'sWho/basho


御手簡再三辱、先日御入来之処、いづれもいづれも御残多奉存候*。甲州旅立之事、寒気甚鋪御座候間、春に成候而可然由*、人々も申、甲斐の国便りにも雪など漸々重り、凍風肌を稜など申来候而*、冬道之程、一夜の草枕もくるしかるべき旨申越候故、臆病神に驚され候而、とくとく春に相定候。貴辺御尋仕事、十八日までは難去事共御座候間、廿日過ぎにと存罷有候。其間此方へも御出御無用に可成候*。廿日之比若し御手隙御座候はヾ、待入存候。貴面御約可仕候*。御用等御座候はヾ、廿日に御人可下候。其節其元よりも日限あら方御書付可下候。貴面*。以上
 
 
     霜月十三日
 
   許六雅丈                     芭蕉

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 許六と芭蕉の頻々とした交流の記録。芭蕉はこの時期甲州への旅行を計画していたこと。ただし、寒い上に、周辺からも先方からも寒いことが知らせれて来たりして春に延期すること、18日まで非常に忙しいから来ないようにされたい、20日頃なら会えるので来てほしい、っただし、20日にそちらが忙しくて来られないのであればその後の日程を書いて人を寄越してくれ、などという連絡をつづる。