芭蕉db

意専宛書簡

(元禄4年5月10日 芭蕉48歳)

書簡集年表Who'sWho/basho


處々御一覧、御帰宿被成候哉*。もはや頃日はと推察申候*。かみさまよりも念比忝存候*。道中之風流、虱之侘、扨扨御物語承度候*。宗五も折節上京、留守に而、手筈ちがひ候半と存候*。先ず先ず大義(儀)、御願珍重珍重、御手柄に御座候*。拙者相替候事無御座、頃日は嵯峨去来下やしきに居申候*。養閑、竹の子を給申候*。大井川*の舟あそび、俗客にはあゆを振舞、嵐山朝暮の詠に而御座候。富士いかゞいかゞ。 已上
     五月十日                         桃青
意専様
其元拙者立候時分、宗七殿*度々御見舞

 伊賀上野の門人窪田猿雖(意専)宛書簡。猿雖が江戸へ旅をして無事伊賀へ帰ってきたことを喜んで書かれた一通。発信場所は京都市中らしい。