六月三日
京都俳諧師、五句付のことに付き閉門:闘句の博打俳諧をした廉で、京都の俳諧師が逮捕されたのであろう。「五句づけ」とは、前句5句を見せて、それに付け句をしていうのであるが、優秀な付け句に法外な懸賞金を出すように堕落して、幕府は取り締まりの対象とした。これに違反したのであろう。
京・大坂貧乏弟子:京都や大坂の貧乏弟子たちが、落柿舎にやってきて居候をやっていて、和気藹々やっています、という。ここに貧乏弟子とは、支考・維然・酒堂らである。
理兵衛:詳細不詳。寿貞の身内(父親)か? 夏場には仕事が無くなる類の細工職人だが、詳細は不明。仕事が無くてもあまり心配しないようにと芭蕉は気遣っている。
おふう:寿貞の娘、病弱だったらしい。詳細を敢えて知らせよという思いやりから見て、おふうと芭蕉と寿貞の関係の親密さが伺えるが・・?。
宗波老:深川芭蕉庵の隣に住んでいた貧乏僧侶。『鹿島詣』に随伴している。