芭蕉db
怒誰宛書簡(元禄7年1月29日)
正月廿九日 はせを
怒誰雅丈
貴存
御修業相進候と珍重:<ごしゅうぎょうあいすすみそうろうとちんちょう>と読む。「御修業」は俳諧修業のこと。日頃よく俳諧に修業しておられること大変結構です、の意。
唯小道小枝に分別動候て:<ただしょうどうしょうしにふんべつうごきそうらいて>と読む。小さなことにこだわってばかりいると、あれが良いとか、こちらが悪いとか、小知恵に悩まされてしまいます、の意。
物我一智之場所へ至間敷存候:<ぶつがいっちのばしょへいたるまじくぞんじそうろう>と読む。対称と自己が同一化する境地にはなれないのではないか、の意。「物我一智」は禅思想。
誠御修業御芳志頼母敷貴意事に令レ感候:<まことにごしゅうぎょうごほうしたのもしききいのことにかんぜしめそうろう>と読む。本当に貴方の修業態度や志はすばらしいことだと感心しています、の意。
佛頂和尚:佛頂和尚は芭蕉の禅の師。