気晴ては虹立空かよもの春 其角
年取や俵ごまめを場につみて 文鱗
鳴海の門人下里知足宛真蹟書簡の写しである。新年の賀状であり、江戸蕉門で制作した歳旦帳から発句と第三句までを知足に報せている。
新暦之慶賀、重畳申納候:<しんれきのけいが、ちょうじょうもうしおさめそうろう>と読む。新年のご挨拶を申し上げます、の意。
愈御無事に御重年可レ被レ成と珍重奉レ存候:<いよいよごぶじにごちょうねんなさるべくとちんちょうにぞんじたてまつりそうろう>と読む。御元気で新しい年をお迎えのことと御よろこび申し上げます、の意。