芭蕉db

智月宛書簡

(元禄3年9月10日)

書簡集年表Who'sWho/basho


 くすりもたせくだされ、忝ぞんじ候。けふはまご右衛門まいらるべく候まゝ、見あはせそれへまいり可申候まゝ、御まちなさるまじく候*
一、かみこ参候よし、うちでのはまやに御ざ候よし、いまだそこもとへとゞき申さず候や。ちとはやく御ぬひ被成可下候。
一、六兵へにぜに弐百御とらせ可下候。こん日つかはされ可下候。以上
   十日
 智月さま                                   はせを。

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 湖南滞在中に大津の智月宛に書いた書簡だが、執筆年次は不明 ながら、前後の関係からここが定説。

 智月が、乙州の使用人であろう「六兵衛」を使いとして芭蕉宛に薬を届けてよこし、六兵衛を待たせて急いで書いた書簡らしい。 あわてて書いたらしく、細部の意味の取りにくい書簡である。