芭蕉db

木因宛書簡

(元禄2年9月15日)

書簡集年表Who'sWho/basho


此度さまざま御馳走、誠以痛入辱奉存候*。爰元へ御参詣被成候にやと心待に存候處*、いかゞ被成候哉、御沙汰も無御座、御残多*。拙者も寛々遷宮奉拝*、大悦に存候。
此状御届被成可下候*。方々かけまはり申候はゞ、又々美濃筋へ出可申候間*、其節万々可御意候。
此地、江戸才丸・京信徳・拙者門人共十人計参詣*、おびただしき連衆出合ながら、さはがしき折節に而、会もしまり不申、神楽拝に一日寄合、さのみ笑ひて散り散りに成申候。以上
    九月十五日                     はせを

 宛名を欠くが、木因であることが判明している書簡。『奥の細道』を終えた大垣で大変世話になった木因に宛てた近況報告と謝礼を述べたもの。