芭蕉db
湯泉大明神の相殿
*
に八幡宮
*
を移し
奉りて、両神一方に拝まれさせ給
ふを
湯をむすぶ誓ひも同じ石清水
(曾良旅日記)
(ゆをむすぶ ちかいもおなじ いわしみず)
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元禄2年4月。『
奥の細道
』旅中、那須湯元。ここでは、「
石の香や夏草赤く露暑し
」、「
落ち来るや高久の宿の郭公
」とも詠んだ。。
湯をむすぶ誓ひも同じ石清水
ここは那須湯本の温泉大明神。京都の石清水八幡宮が合祀されているので、ここに参詣し、その社殿の湯を手ですくうと、両神社にお参りしたことになるという。これは湯が結ぶ縁である。
「むすぶ」には縁を結ぶ意と、「掬ぶ」から湯を「すくう」意味がかけられている。
栃木県那須郡那須町湯本温泉神社境内の句碑。牛久市森田武さん提供。
相殿:二つ以上の神を合祀する社殿のこと。ここでは京都の石清水八幡宮を合祀したというのである。いかにも日本的な便宜主義ではある。
八幡宮:石清水八幡宮。そこでは、清水で手を清めてお祈りをする。2神を合祀したので、湯を口に含んでも良いというのである。