芭蕉db

夕顔や酔うて顔出す窓の穴

(続猿蓑)

(ゆうがおや よおてかおだす まどのあな)

夕顔に酔うて顔出す窓の穴

白雪宛書簡)

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 元禄6年夏。

夕顔や酔うて顔出す窓の穴

 夏の宵、酔った勢いで小さな窓穴からひょいと顔を出したら、そこに夕顔がぱっちりと咲いてこちらを見ていた。この窓の穴は手洗いの窓などが考えられる。おかしさと美しさとが同居した名句。
 なお、『白雪宛書簡』には、

夕顔酔うて顔出す窓の穴

とある。
 また、去来からの受信書簡によれば、

夕顔や酔て顔出す竹すだれ

とあるが、去来の記憶間違いであろう。