芭蕉db
   しばし隠れゐける人に申し遣はす

まづ祝へ梅を心の冬籠り

(阿羅野)

(まずいわえ うめをこころの ふゆごもり)

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 貞亨4年、44歳。『野ざらし紀行』の旅の途次杜国を訪ねて。一説によれば、流罪中の杜國につかえた家僕の権七に宛てたとされている。主人に忠実に仕えている権七に「冬来たりなば春遠からじ」と激励したことになる。

まづ祝へ梅を心の冬籠り

 杜國は、思いがけず罪を問われてこうして畠村に隠棲を余儀なくされている。しかし、冬がくればその後に梅の花咲く春が来るのだ。その日を心にとめて、許しの出る日をじっと待て。


東京都八王子北野北野天神社(牛久市森田武さん提供)